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■平成28年12月11日 /雁の巣1 /開始9時
◯N.ライオンズ 4ー2 INODEN●

ID : 000 0200:2
NL: 103 000x:3

【勝利投手】美澤 6勝2敗
◯美澤ー翔平

【勝利打点】モーリス 2

■平成28年11月13日 /駕与丁 /開始10時
◯N.ライオンズ 4ー3 早良区LOVE●

SLii: 200 100 0:3
NL : 000 220 x:4

【勝利投手】美澤 5勝2敗
◯美澤ー翔平

【勝利打点】久保2

■平成28年10月30日 /雁の巣球場 /開始7時
●N.ライオンズ 6ー5 早良区LOVE◯
SLii: 104 10:6
NL : 011 12:5

【敗戦投手】美澤 4勝2敗
久保・●美澤・荒金ー中津

■平成28年10月23日 /駕与丁 /開始10時
◯N.ライオンズ 8ー4 ビギナーズ●

NL : 010 520:8
BGi: 010 300:4

【勝利投手】久保 2勝
◯久保・美澤ー高橋・翔平

【勝利打点】モーリス1

【本塁打】モーリス2号(3ラン)

■平成28年9月25日 /駕与丁 /開始12時
●N.ライオンズ 1ー4 ブルドックス◯

NL : 000 001 0:1
Bwl: 100 102 x:4

【敗戦投手】美澤 4勝1敗
●美澤・久保ー高橋

■平成28年9月25日 /駕与丁 /開始10時
◯N.ライオンズ 3ー0 INODEN●

ID : t000 000 0:0
NL : 000 300 0:3

【勝利投手】美澤 4勝
◯美澤ー高橋

【勝利打点】松本1

■平成28年9月11日 /駕与丁 /開始10時
◯N.ライオンズ 3ー0 早良区LOVE●

NL : 300 000 0:3
SLi : 000 000 0:0

【勝利投手】美澤 3勝
◯美澤ー翔平

【勝利打点】高橋1

【本塁打】 松永 3号(1回=2ラン)

■平成28年8月21日 /榎田中央 /開始13時
●N.ライオンズ 1ー2 早良区LOVE◯

SL : 010 100 0:2
NL : 000 001 0:1

【敗戦投手】荒金 1勝1敗1S
●荒金・久保・翔平ー翔平・久保

■平成28年7月31日 /雁の巣1 /開始9時
●N.ライオンズ 9ー11 シャークス◯

NL : 242 100 0:9
SH : 280 001 x:11

【敗戦投手】此上 5勝3敗
●此上・中津・久保・荒金ー高橋

【本塁打】此上 2号(2回=2ラン)
     荒金 1号(2回=2ラン) 


■平成28年7月24日 /駕与丁公園 /開始10時
○N.ライオンズ 8ー6 INODEN●

NL : 500 03 :8
IDt : 200 40 :6

【勝利投手】久保 1勝
【セーブ】 荒金 1勝1S
此上・◯久保・荒金ー高橋

【勝利打点】松永 3

●■平成28年7月10日 /上月隈第2野球場/ 開始15時
●N.ライオンズ 4ー9 ブルドックス◯

B lll007 100 1:9
NL 011 000 2:4

【敗戦投手】此上 5勝2敗
 ●此上・美澤ー高橋・翔平

【本塁打】 此上 1号(3回=ソロ)
      高橋 1号(7回=2ラン)

■平成28年6月26日 /駕与丁公園野球場/ 開始16時
○N.ライオンズ 13ー2 福岡ブルードッグス●

BD : 000 20 : 2
NLll: 105 34 :13

【勝利投手】此上 5勝1敗
 ○此上ー翔平

【勝利打点】久保 1

【本塁打】 松永 2号(1回=ソロ)

■平成28年5月22日 駕与丁 開始16時
●N.ライオンズ 2ー3 シャークス◯

SH : 000 300 : 3
NL : 002 000 : 2

【敗戦投手】此上 4勝1敗
 ●此上・荒金・美澤ー高橋


■平成28年5月8日 駕与丁公園 開始16時
○N.ライオンズ 4xー3 福岡ジャイアンツ●

FG : 010 010 1x: 7
NL : 102 000 1x : 5

【勝利投手】美澤 2勝
 久保・中津・荒金・○美澤ー高橋

【勝利打点】松永 2

■平成28年4月24日 社領南公園 開始11時
○N.ライオンズ 7ー5 福岡ブルードッグス●

NL : 111 400 : 7
BD : 500 000 : 5

【勝利投手】此上 4勝
 ○此上ー中津

【勝利打点】松永 1

【本塁打】モーリス1号(2回=ソロ)
     松永  1号(4回=満塁)

【経過】
先の“リーグ序盤戦天王山”を3連勝とし、波に乗ったNL。タフな戦いの連続に、主力選手のダメージの蓄積は計り知れない。
ここで首脳陣は、思い切った作戦に出る。NLが誇る捕手BIG3の翔平ちゃんは妻の出産、高橋は尻からの出力を危惧して登録抹消し、中津1人態勢でこのゲームを乗り切る、大胆な諸刃の剣作戦だ。
“デキる子”中津だから任せられた、まさかの捕手1枚態勢。そこに、首脳陣の中津にかける期待感が、痛いほどに感じられる。
この日の相手は、新規参入の強豪。リーグ屈指の在籍メンバー数の中から、打倒NLにかけて選抜された精鋭陣が続々と球場入りして来た。もはや、待った無し、ガチンコ勝負の様相だ。

だが、NLの勝負師たちは、グランドを離れれば、ただただ温厚な好青年たちばかりだ。
主砲の松永は、隣接する公園で愛娘と戯れる。クーヴォは恋人同伴で必勝を誓い合う。モーリスは自慢の毛虫の栽培で英気を養う。
それぞれが、それぞれのプロセスを持ちつつ、試合開始を待つ。

いつものように、試合前にスタメンが発表される。この日は序盤天王山の疲労を考慮し、少数精鋭で集められた10名。クリーンアップ以降の打順には、指揮官の緻密なデータ戦略により、久々にベテラン吉武を6番に抜擢した。この時点でやはり、「何かある」。誰もが何かを感じずにはいられない戦略的起用法だ。

1回表。先頭には、文句なくNLのトップバッターに返り咲いた、クーヴォ。ベンチからの黄色い声援に、背中からでも滲み出るニヤけ面を隠さずにはいられない。
早速、球数を投げさせておいての四球を選び、1番打者としての仕事をキッチリと果たす。
相手バッテリーエラーと、安井の内野ゴロの間にクーヴォは三塁まで進むと、松永のショートゴロの間に難なく先制のホームを踏む。完璧なゴロゴースタートだ。言わずとも、それぞれのスペシャリストが、それぞれの仕事をこなしていく。しつこいが、それがNL野球の真骨頂だ!
しかし、先発マウンドの此上が、今季初の立ち上がり乱調となる。
生命線のコントロールに苦しみ、勝負所が決まらない。四球に安打に、塁上を埋め尽くす厳しい場面の連続。リードする中津も必死の形相を浮かべる。
5点を奪われ、4点ビハインドとなり、ベンチへと戻るNLナイン。しかし、どの表情も、意気消沈した者など誰ひとりとしていない。松永の声が響き渡る。「この回、5―2にしようぜ!」。無理のない返済。これぞ、NLが誇るアコム追撃法だ!

4点を追う2回、先頭はモーリス。この球場は昨年、デビュー戦1試合2ホーマーという驚愕の相性の良さを誇っている。しかし、その後の失速を考えれば、逆にこの球場なら何とかしてくれるはずだ。行け、モーリス!
打席内での雰囲気が、やはりいつもと違う。この景色、この空気。目覚めたモーリスが、初心に返ったミート打法に徹する。
打球は、“これぞ、モーリス!”という角度で上がっていく。行ったか~~!完全にフェンスを越える完璧な今シーズン第1号ホームランだ!
長らく味わっていなかった余韻に浸りすぎ、ダイヤモンドを一周する足取りが遅すぎる。とにもかくにも、ド派手な一発でこの回、ホントに1点だけを返し、3点差に迫る。今度は松永へ。樋口の言霊は次々と受け継がれるかのように健在だ。

すると3回、またもや松永の掛け声が響き渡る。「よ~し、この回で5―3にしようぜ!」。まだ、3回だ。コツコツと1点ずつの返済で、逆転できる。全く無理のないアコム追撃法に、ベンチの士気がさらに高まっていく。
この回先頭は男前・安井。ベンチから黄色い声援「男前~~!」が飛ぶ。そんなん、わかってる事やん。そう、安井の背中が語り、キッチリと、冷静に、四球を選び出塁を果たす。やはり、結果を出してこその男前だ!
続く松永。掛け声でストレスも発散したか、キレイなセンター前ヒットで続く。さすが、マツ。やる時は必ずやる男だ!
ノーアウト1、2塁、絶好の場面で4番美澤だ。みんな、考える事は同じだ。ドでかい大花火で一打同点。一打、同点……。ん、いかん、いかん。一番、考えちゃいかんパターンだった。だって、本人が一番……と、不埒な思いを浮かべた矢先、美澤のバットが空を切り、まさかの三振に倒れる。しまった、期待のかけ過ぎだ。

ここでベンチは改めて、全員野球という初心に返る。先ほど、ド派手な一発を放ったモーリスにも、過度の期待は禁物だ。しかし、樋口パイセンからNLの5番という大役を引き継いだ以上、ここはやるしかない。行け、モーリス!が、しかし、責任感が力みに繋がったか、ドン詰まりの内野フライに倒れる。マジかー。
ノーアウト1、2塁が、ツーアウト1、2塁へと変わる。いや~な空気が漂う。
が、しかし、ここでこの日、指揮官が常に意識するキーマンの6番に抜擢した、昨年の首位打者・吉武が打席に向かう。中津でも、此上でもない。指揮官が緻密なデータ管理から導き出したこの日の6番に、やはり最後の砦としてのチャンスで回ってきた。
が、しかし、吉武はいつもと違う、長距離砲タイプの重量バットを手にしている。思わず指揮官が叫ぶ。
「おい、それ、重いぞ」。
案の定、あっさりと追い込まれる。それでもバットを替えない。再三のファウルでタイミングを合わせる。バッテリーの選択は、速球で詰まらせる、か。指揮官がニヤリとした瞬間、遂に宝刀の流し打ちがコンパクトに決まる。痛烈なライナーがサードの横を抜けていく。
強い当たりをレフトが反応良く回り込み補球するがサードコーチャーは右腕をブンブン回している!
間に合うか?!

二塁ランナーの安井が一気にホームへ突っ込むと間一髪ホームイン!どこまでがガチで、どこまでが狙いかわからない指揮官とベテランの熟練劇場で、またしても1点を返し2点差に迫った。本当に5−3になったぞ!もはや、流れは掴んだか。

エース此上も、この流れに乗る。いや、自らこの流れを作り出していく。初回の失点以降、2、3回と相手打線を無得点に抑えていく。
いいぞ、コノ~!!

すると4回、2点差に迫ったところで、相手ピッチャーがリーグ屈指の剛腕投手を登板させる。流れを見据えて、早めの火消しを狙ったのか。さすがのNL打線も、容易に打ち崩す事は難しいだろう。さあ、ここからが、本当の勝負だ!
先手必勝。立ち上がりを攻めるNLは、この回先頭に選球眼のいい此上。無理なボールには手を出さない。徹底した攻めで粘りに粘り、フォアボールを勝ち取る。この辺りが、コノ~!の真骨頂だ。ランナーを出し、相手投手もまた、もう一段ギアを上げる。トバッチリを受けた岸本だが、後続に球筋を確認させておいての三振。やはり、タダでは終わらせない曲者だ。
さらにラストバッターのカネやんが、これまたクサい球を振らない。ここも粘りに粘って、またもフォアボールを勝ち取る。
1アウト1、2塁。相手バッテリーにプレッシャーをかけていくと、トップに返り久保。これまたリーグ屈指の選球眼の良さだ。投げさせるだけ投げさせておいての四球出塁で、塁を埋めた。
ここで安井だ。男前だ!が、しかし、安井のバットが簡単に空を切る。結局、空振り三振だ。潔く打席を去る安井。しかし、何かが、ある。安井の自害にも、ベンチの士気は下がらない。そう、なぜなら、NLが誇る天才クリーンアップ、3番・松永がいるからだ!

途端にグランドの空気が一変する。松永の醸し出すオーラに、自然界も反応し出す。木々はざわめき、鳥たちは一斉に鳴き声を止めた。
その瞬間、「初球狙っていました!」剛球ストレートを捉え、誰も異論を挟めない。文句のつけようがない打球はグングン加速して左中間スタンドへの特大の一発となった。松永の今シーズン第1号グランドスラム!2点差を一気にひっくり返す逆転満塁ホームランだ~~!!
あまりの衝撃に、一瞬、両ベンチとも鎮まり返る。そして、NLベンチはお祭り騒ぎだ。
これまでの松永のセオリーならば、初球見逃しの場面。しかし、前を打つ各打者が、嫌というほど相手投手の投球を引き出していた。もはや、“出来上がった”松永に“待った”の文字は、いらなかったのだろう。これぞ、NLの全員野球!そう言っても過言ではない、圧巻の4回表となった。

形勢逆転したものの、リードは2点。安パイな点差ではないものの、松永の劇弾が生んだリードは何倍、いや何十倍もの重味を持つ。
このリードを此上は最後まで気迫の投球で守り切り、完投勝利で無傷の4勝目。
チームは開幕戦引き分けからリーグ戦5連勝だ!

■平成28年4月10日 駕与丁公園 開始10時
○N.ライオンズ 17ー3 シャークス●

NL : 530 027 : 17
SH : 200 100 : 3

【勝利投手】此上 3勝
○此上・美澤ー高橋

【勝利打点】此上 1

【経過】

ヒグチ・ロス……

NL史上に残る大激震から2週間。次なるモチベーションの維持に苦労するかと思われたゲームだったが、予想を上回る展開となった。

樋口がいないその現実に、誰もが戸惑いを感じるも、そんなショックを吹き払わんと、ベテラン・松永の空元気な声が響き渡る。さすが、だ。が、しかし、単なるストレス発散にも聴こえてくるのは、気のせいではないだろう。
果して、樋口の定位置打順だった5番を打つのは誰なのか。高橋、モーリス、そして、静かなる闘志を燃やす中津らが、「俺に違いない!」と無言のアピールを続ける。5番に入る本人へは、指揮官から事前に通達された。高橋が言う。「俺に違いない。しかし、まだ言われてない」。
それって、落選だろ~!

隣ではドヤ顔のモーリスが素振りを繰り返す。「てめ~かコノヤロー」。晴れてこの日の、NL栄光の5番打者を襲名したのは、モーリスだ!
ガックリ肩を落とす高橋。が、しかし、指揮官から何やら耳打ちされると、それまで鰯の腐ったかのような目をしていた男が、精気を取り戻したかのように、はしゃぎまくる。3試合連続となるキャッチャーとしてのスタメン出場が決まった。
急いで、マイ・マスク、マイ・プロテクターを取りに走る。上位2チームとの対戦で首脳陣からの高評価を得た高橋を巧みに操る指揮官。
やはり、タダ者ではない。

そして、重要な1番打者に返り咲いたのは、久保。カモメの快進撃に触発されたであろう男に、指揮官は全てを賭けた。
この日の相手は昨年のリーグ戦3位チーム。NLとしては1勝も出来なかった相手だ。序盤の天王山第3ラウンドのゴングが打ち鳴らされた。

1回表、ヒグチ・ロスの不穏なムードを吹き飛ばすかのように、NL打線の奇襲、猛攻がスタートした。大号令の言霊声出しは、安井。
今季、これまでの声出しで予言した事は全て的中するという、一歩間違えればオカルトなジンクスを持っているNL。
安井が叫ぶ「5点取るぞ~!」。いやいや、いくら好調なNL打線とはいえ、強力相手投手に5点は、あんまりやろ~。
早くこの奇妙な言霊のジンクスも終わらせたいし。

トップは久保だ。ようやくこの形が出来た。これがNL打線の流れだ。「俺はホソヤ……俺はホソヤ……」ブツブツと呟きながら打席に入ると、蘇った選球眼と鋭角なスイングでサードへの強襲ヒットを放つ。出た!第1打席から出塁する、久保のバッティングが戻ってきた。
続く安井。激闘の連続で満身創痍な身体を気遣い、指揮官断腸の思いでこの日はDH出場となったが、持ち味の打撃は全く錆びれてはいない。
キレイに糸を引くかのようなレフト前ヒットを放ち、連打で一、二塁だ。

ここからは最強クリーンアップ。松永は凡退するも、好調な美澤が難なくレフト前タイムリーヒット。4番のひと振りで先制点を叩き出す。
なおチャンスでモーリス。いつもなら、樋口。この、ヒグチ・ロスを感じさせるなモーリス!が、しかし、ここは三振に倒れる。まだまだ気負いすぎだ。焦るな、モーリス!
そして、高橋。5番の座を譲ったものの、チャンスに強い打撃に期待だ。しかし、気負いすぎてのサードゴロ。高橋の激走が焦りを誘い暴投を呼び込む。タイムリーエラーで2点目。なおチャンスで中津。5番争いから脱落したものの、その脱力感溢れるスイングからセカンドへのゴロを放つ。二塁手が大事に行きすぎて手につかない。連続タイムリーエラーで3点目だ。NL打撃陣の“圧”で着々と追加点し、ここで此上。ここは“ザ・コノ~”という流し打ちで三遊間へ。ショートがなんとか追いつくも、完全に内野安打となりタイムリー。
送球エラーも重なり2点を追加し、この回キッチリ5点で終了。安井の言霊による5点を、怖いぐらいキッチリと忠実に記録。

今度はNL先発ピッチャーとして此上がマウンドに上がる。
2試合連続先発マウンドの此上は、球威、制球ともに申し分ない。が、しかし、相手打線は強力だ。そんな此上の投球に食らいついていく。2点を返され、なおもピンチを招くが、今度は此上の気迫が勝る。1死一、二塁の大ピンチで、ファウルになりそうなキャッチャーゴロを巧みに掴んだ高橋が、サード美澤へ送球、続いてファーストのモーリスにも転送される2→5→3のダブルプレーに仕留めた!ドヤ顔でベンチへ戻る高橋へ、指揮官の囁きがイヤらしい。「このポイント、高いんじゃな~い?」。
猛反撃を2点で切り抜け、リードを保ったまま、味方打線へと繋いでいく。

取られたら取り返す。今年のNL打線の象徴とも言える攻撃は2回、先頭の松ジュンのレフト前ヒットで幕を開ける。
続くカネやんの選球眼は鋭い。クサい誘い球には一切対応せず、繋ぎの精神で四球を選びトップへと回す。
こうなれば完全復活を果たした久保のショータイムだ。見事なレフト前ヒットでノーアウト満塁となる。
あまりにオイシイ場面。平然さを装うも、背中から滲み出る笑顔を隠せない安井は、まさかの三振に倒れる。
が、ここで松永。満塁男の祭りが始まるか!しかし、まさかのデッドボールでの押し出し点。続く美澤は「センセイ、力み過ぎです!」のセカンドフライに倒れてツーアウト満塁。まさかの1点止まりか。不穏な匂いがプンプンしてきたが打席にはモーリス。いろんな意味での追い込まれ感はハンパではない。頑張れ、モーリス!が、しかし、やはり……やってもうた~のサードゴロ。死に物狂いで一塁へ走り出すモーリス。この悲壮感が相手野手陣の焦りを誘い、送球が暴投となる間に2点を追加。「良かった~」安堵のモーリス。

ピンチを背負いながらも要所を締めるピッチングの此上。いいペースだ、コノ~~!!
6点差とはいえ、相手の強力打線を考えると、決してセーフティーリードではない。そんな事は百も承知の久保が4回は先頭打者として四球出塁。さすが、NL永遠の優等生だ!
が、しかし、調子の良さが災いか。塁上で踊るかのような“クーヴォ・ステップ”が過剰過ぎ、逆を突かれた牽制球でタッチアウト。脱兎の如くベンチへと戻ってきた久保が指揮官の前で土下座だ。素早い。さすが、NL永遠の優等生だ!

5回、さきほど三振に倒れた安井が今度は「僕、これぐらいで取り返したとは思ってないんで…」と目でアピールしながらの四球出塁。すると松永のバットが遂に火を吹く。度肝を抜く当たりでのセンターオーバーでタイムリーか……が、しかし、安井がホームに返れず、ベンチからは不穏な空気が流れる。しかし、「次は4番でしょ。大事にいく場面でしょ」。三塁ベース上から、平静を保ちながらの無言のアピールだ。
ここで美澤が、「センセイ、やっぱり、力はいり過ぎてます」的な空振り三振に倒れる。
またもやチャンスでモーリス。パイセンは、こんな重圧感といつも対峙してたんだぞ、いけ、モーリス!が、しかし、今度もショートへの平凡なゴロ。「まじかよ~~!」またしても死に物狂いで激走するモーリス。しかし、このシルエットが激走すると、やはり何かしら起きる。またしても野手の送球エラーを誘うタイムリーで2点を追加した。

8点差とした6回には、ダメ押しのビッグイニングだ。
此上のセンター前ヒットを皮切りに、カネやんの押し出し死球、久保の右中間真っ二つとなる2点タイムリーツーベース(送球エラーが絡み3点)、安井の痛烈なセカンド内野安打がタイムリー、またしてもモーリスがボッテボテのサードゴロでタイムリーエラー(2点)で追加点。
結局、10安打17得点で17対3と快勝。シーズン序盤、上位3強との3連戦3連勝を飾り、無敗のロケットスタートを切った。

NL27 樋口嘉孝 壮行試合特設ページへ
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■平成28年3月13日 駕与丁公園12時
〈第1試合〉
○N.ライオンズ 10-3 福岡マイスター●

NL:412 102 : 10
FM:000 102 : 3

【勝利投手】荒金 1勝
○荒金ー中津

【勝利打点】なし

■平成28年3月13日 駕与丁公園14時
〈第2試合〉
○N.ライオンズ 12-6 アローズ●

AR:000 024 : 6
NL:230 052 : 12

【勝利投手】久保 1勝
○久保・中津・安井・高橋・樋口ー翔平

【勝利打点】翔平 1

【経過】
NL首脳陣をショックで寝込ませた、主砲・樋口涙の電撃退団会見。NLで培ったスキルを生かし、海外メジャーへの挑戦表明。
“ラストマッチ”まで、残り4試合……そんな樋口の花道を最期まで焼き付けようとヒトミママン、シモミグランマはじめ親戚縁者一同、
そして故郷・相模原市商店街では地元の英雄を一目見ようと、NLケーブルTVネット中継でのLIVE観戦だ。
苦楽を共にしてきたNLの同志としては、このゲームを通して目一杯のNLイズムを叩き込み、チーム全員で“背番号27”を送り出したい!

また、去る者あれば、来る者あり。時を同じくして、『NLオープンキャンパス2016』が開催。受験出願者多数の中から一般入試、推薦入試の
各定員1名の中から厳選された2名が参戦。難関を勝ち抜いた荒金、松本両選手が緊張の面持ちでベンチ入りすると、NLの愉快な猛者たちが
優しく迎え入れる。特にモーリスが歓迎の毛虫を披露するが、誰もが引いてしまう。

この日はダブルヘッダー。1試合でも多くNL魂を刻んでほしい。首脳陣の思いが痛いほどに伝わるこのマッチメイクに、樋口は早くもベンチ裏でひっそりと涙をこぼしている。
だが4番・美澤は「前回の今季初ゲームの打撃内容に納得がいかない」と、結果を出したにも関わらず登録抹消し自ら再調整を申し入れるストイックさで欠場。
ダーオはNL財閥の集大成とも言えるビヨンドバットに手を出し、快心の当たりを見せたものの、年甲斐もなく慣れない初使用で持病の痔のうが悪化し無念の欠場。
深マックスは、「まだ俺の中のフカ“MAX”にまで達していない」というメッセージを遺したまま消息を絶ち欠場。
主力3選手の痛い欠場を、全員野球でカバーしていくしかない!

第1試合の相手は、念願のリーグ参入へ向け、様々なハードルをクリアしているチーム。練習試合とはいえ、なかなか手強い強敵だ。
相手先発投手も、しなりの利いた本格派左腕。立ち上がりから調子づかせると、ズルズルといきそうな気配だ。
1回表、先手必勝のNLとしては、いきなりの奇策に出た。1番・荒金、2番・松ジュン……決して、他力本願打線ではない。1、2番でのテストとしては申し分のない相手投手と判断しての、指揮官の英断だ。
テスト生としては結果が欲しい。しかし、NL首脳陣にとっては内容が欲しい。先頭の荒金は目先の結果に拘らない。じっくりと投手の球筋を見極め丸裸にし、挙げ句の果てには四球出塁を果たす。いいぞ!指揮官好みの憎い選球眼だ。

続く、2番・松ジュン。ネクストサークルで十分に投球を見極めた洞察力で、あとは打席でアジャストするだけだ。相手投手が投じた速球速球、そして3球目のスローカーブに、全くタイミングを狂わされる事なく振り抜いた打球は、あっ!という間に左中間を真っ二つ!!
マジかよ!NLベンチを歓声で沸かせる松ジュンの先制タイムリーツーベース。早くもモーリスが危機感のぼやき炸裂「この二人で、俺の存在価値が怪しくなるじゃないスか…」。
あっさりと先制した後は、ここからいつもの千両役者が登場だ。
松永がセンターオーバーのタイムリーツーベースで続くと、ここで一際大きな歓声と共に、4番・樋口が登場だ。
しかし、いつもの鋭いスイングが鳴りを潜めたまま、まさかの三振に倒れる。感極まった涙でボールが見えないのか、それとも前日の酒が残ったままなのか!?
4番が倒れても、NLにはSTARがいる。安井だ!いつもの「僕、こんなの簡単にできますけど」と言わんばかりに男前に押っつけた打球は、あっさりと一二塁間を破りライト前に達するタイムリーヒット。
喜ぶわけでもなく、はしゃぐわけでもない。ただ単に、“みんなの笑顔が見たいだけやねん”そう顔に書いてある優等生・安井の一打でさらに点差を広げていく。
続いては高橋。ようやく3戦目にして“開幕”の打席はフォアボール。「な~んだぁ~…」と、ベンチから違う意味での失望感。
このチャンスにモーリス。1年前の今頃は、大・モーリスフィーバーを巻き起こしていた時期だ。「時代よ、再び俺に微笑みかけてくれ~!」祈りにも似た叫びも虚しく、ショートゴロに倒れた。

あれ、ネクストは???
久保の姿がない。しまった!ベンチの伝達ミスで、打順を把握してない久保は三塁コーチャーズボックスにいた。
慌てて打席に入るも、気持ちの整理もつかぬまま、内野ゴロに終わりスリーアウト。すまん!

4点を先制し、マウンドには荒金が上がる。いきなりの先発起用に場内どよめきが沸き上がる。
どうしても先発デビューとなると、伝説の初老・岩井の姿を投影してしまう。
しかし、そんなレジェンドを凌ぐかの勢いで、アウトカウントを稼いでいく。
2アウトを取り、続く打者をセカンドフライに打ち取る。が、しかし、ここでセカンドの名手・安井がタダでは終わらせない。
「メンタルも鍛えとかんと、大事なゲームが続くからね」
なんと、グラブに収まったはずのボールが、そのまま天空に向けて再び発射。おぉっ!!っと思わせて再びグラブに吸い込まれる。
驚愕のビッグプレー!これがNL伝統の『トースターキャッチ』!続く味方のエラーにも、「誰が悪いって事ないから!切り替えよう」。
ミスターNLを自負する安井が攻守に魅せてこの回無得点に抑えた。

2回、今度は「心のスキ」を埋め着くし、2試合ぶりに戦列復帰を果たした…という疑惑のアングルで話題作りに励むベテラン・吉武が打席へ。早速、左対決をものともせず、左中間へのツーベースで出塁。2死となるも先頭に返り、荒金。選球眼を生かした1打席目に続き、今度はシュアな打撃でライト前へタイムリーヒット。ますます焦るモーリス。
続く松ジュン。今度はこっちが選球眼を生かしての四球。さすがはNLの受験生。レベルの高さに、ベンチのモーリスもソワソワ、毛虫もモゾモゾ。
さらに松永も、ネクストに控える樋口に繋ごうと、打席で粘りに粘る。ベンチ一体で樋口の打席を演出しようと盛り上げる。すでに樋口の目頭は熱くなっている。これがNL野球の真髄だ!
結局、フォアボールを選びフルベース。最高のお膳立てで樋口が登場だ。
しかし、ここも気負いすぎたか、サードゴロに倒れ、ガックリ。

2回もNL先発・荒金の奪“空振り”ショーが始まる。追い込むまでは面白いように空を切らせ、最後は鉄壁のNL内野陣にお任せするよう、凡打の山を築いていく。いいぞ!久々の登板とは思えぬ安定感で、首脳陣を唸らせ、NLベンチに執念深く潜む岩井の怨霊も霞んでいく。
3回には1死から、その荒金がバットでアピールだ。痛烈な打球が左中間を真っ二つに切り裂くツーベースで出塁すると、こちらも新戦力の松ジュン。今度はライト前へのタイムリーヒット。この二人で4安打全打席出塁と大暴れし、念願のNL入団へ向け猛アピール成功だ。
嘆くモーリス「俺なんか、アホみたいに育成期間が長かったのに…」

6回には吉武の“打点狙い”の黒いファーストゴロなどで2点を追加。荒金は最後まで志願しマウンドを死守。魂の限界まで投げ抜き、結局3失点の完投勝利を挙げた。
オープンキャンパスを堪能し球場を後にした2選手の合否は後日となるも、双方にとって大変充実したゲームとなったようだ。


間髪いれず2試合目。今度はパブリックリーグ『バリかた杯』1回戦として、宿敵・アローズとの対戦。
このゲームの為に、生意気欧州車を乗り付け、我らが翔平ちゃんが登場。
いよいよ、戦力が整いつつあると思ったところで異変が!早速ゲーム開始。
第1打席、ライト前ヒットを打った松永が突如、「俺のライト前じゃない。“ザ・マツナガ”じゃない!」と、打球の角度を不服として、自ら首脳陣へ申し出て途中退場。そのまま隣接するNL第2球場へ移動して打ち込みを開始した。ストイックすぎるほどに、ストイックだ。
しかし、今後の大事なゲームを見据え、この決断は吉と出るはず。出場9選手となり、キャプテン・岸本が老骨にムチ打ち外野守備に入る。
ライト・吉武とは20数年前の“鉄壁の左中間”復活だが、今となってはお互いの守備範囲の要介護が必要な状態だ。
さらに、上位リーグという事で特別ルールが適用され、NL財閥の叡智、究極の贅沢三昧であるビヨンドバットの使用禁止。果たして、そんな状況で普段の重量打線は炸裂するのか!?さらに投手は最長2イニングまで。7回まで進めば明らかに頭数が足りない。まさか、奴の登板もあるのか…!?

先発は久保。先発、中継ぎ、抑え、どの起用でも首脳陣の期待に応えるNL投手陣の旗頭だ。受ける女房役は翔平ちゃん。安定感抜群のバッテリーで挑む。圧巻は2回だ。走者を背負い、久保の変化球がワンバンとなりバックネットへ。走者は難なく進塁できる場面だが、NLの翔平ちゃんはそうはいかない。跳ね返りを素早く捕球すると、矢のような送球でランナーを悠々タッチアウトに仕留める。さすが翔平ちゃ~ん!久保は規定の2イニングを難なく無失点に抑えて降板する。

3回、見慣れない奴がマウンドに上がる。いつもはひとり野手陣に向かって座っている寡黙な男、しかし、やれば何でもできる子!中津がNL初登板を果たした。
首脳陣は何も心配なんかしていない。心配するとすれば、ちゃんとプレートを踏んで投げてくれるか、それぐらいだ!
そんな不安要素も何のその、中津は、いつもの“やる気あるのにやる気が見えない”スタイルで凡打の山を築き、気がつけば1イニング無失点。
さすが、やればできる子の代表格、これぞNLのロコモーション・ドリームだ。上々の初登板にベンチ総出、拍手喝采でお出迎えする。
ポイント高えな~何なら俺も投げようかな~…モーリスも色気を出し始めるも、全く首脳陣の継投構想に入っておらず意気消沈。

打線は2回、1死から岸本の四球で口火を切り、高橋の痛烈なショートへの内野安打でチャンス拡大。するとやっぱり止まんねぇ~翔平ちゃんのライト前ヒットがタイムリーに。続く樋口。地元では200人を超える大応援団が、ボンボンを打ち鳴らしながら、豪快な一打を待ちわびている。
一球入魂。狙いを定めて樋口が放った打球は勢いよく飛び出し、あっ!という間にレフトの頭上を超える2点タイムリーヒットだ。
遂に出た~~!!
2回までに6安打を集中させて5得点。バット問題も何のその。高校野球ばりの金属音を鳴り響かせ、NLの元高校球児たちが覚醒する相乗効果だ。
5回もビッグイニング。先頭の久保がセンター前ヒット。送りバントより確実な吉武のボッテボテのファーストゴロと、これまた“小技もできる子”中津が強引に押っつけてのファーストゴロ。2死となるもあっさりランナーを三塁まで進めると、岸本のセンター前タイムリー。効率よい攻めで久々の追加点を叩き出すと、上位に返り、重量打線が爆発だ。
前の打席でお約束のデッドボールを食らい、“死球イップス”でノイローゼになりかけの高橋が豪快に右中間を破るツーベースヒット。一塁から岸本が老骨にムチ打ち三塁へ激走。危ない!AEDが必要か!?
このチャンスに打席は翔平ちゃん。あちゃ~。相手チームの落胆ぶりが凄まじい。期待通りに仕留めた打球はキレイにセンター前へのタイムリーヒット。一体、どうやったら凡打するんだ!?な当たりでさらに追加点。
さらに樋口。しかしスイングの音だけが物凄いボテボテのショートゴロに、焦った相手守備のエラーを誘い2点を追加。
そして松永の途中退場により、実質的な4番に座る安井。居心地が良くないわけがない。気持ちで打った打球は、これも“ザッツ・ヤスイ”と呼べる右打ち。ライトオーバーのタイムリーツーベースでダメ押し点。

投手リレーは安井、高橋が適度に失点しつつ4点差となった6回、先頭のNL右打ち天才・久保がライト前ヒット。続く吉武の為にお膳立てしてくれる心優しき後輩・久保が二盗を決め、得点圏。打点、オイシイ。吉武は「調子いいから打たしてくれ~」とカウント3-0からサイン無視の中、痛烈なセンター前ヒット。しっかりとタイムリーとなり久保が生還。
さらに2死三塁から今度は岸本がサードゴロ。何かあれば、打点、オイシイ。案の定、サードが悪送球。二人のベテランがしっかりと打点を稼いでの追加点にご満悦だ。
そして長~い1日を締めくくるべく、抑えのマウンドには、樋口が登場。粋な演出に場内、そして、地元・相模原は大歓声に包まれる。
しかし、いかんせん、試合時間が少ない。行けても打者二人までか。巻いて巻いて~~。
しかし、そんな緊張感が樋口の手元を微妙に狂わせる。なかなかストライクが入らない。やばい。
先頭にフォアボールを与え、ここで主審から「次がラストバッター」の宣告。
最後ぐらい、キッチリいっとこう。が、しかし、そんな緊張感が再び手元を狂わせる。まさかの連続四球………。ゲームセット。
残り2試合。樋口の勇姿を、その目に焼き付けろ!!

■平成28年2月28日 駕与丁公園12時
◯N.ライオンズ 26-1 ブルードッグス●


BD 1 i00 00:1
NL 12 06 8X:26


【勝利投手】此上 1勝
○此上・美澤ー翔平

【勝利打点】美澤 1

【本塁打】 翔平1号(2ラン) 2号(3ラン)

【経過】
球界衝撃!NL激震!!…熱出るわホンマ。
一旦現実逃避してからのリーグ第2戦

昨年首位打者の吉武は開幕戦も好調をキープする結果を残したが「ダメだ。調子に乗っている。心にスキがある」
と戒めの調整降格を志願し欠場。
NL元気ボーイの高橋は昨年死球を十数カ所受けて破損した箇所のパーツが中国工場からの出荷の遅れで2試合続けて欠場。
米びつにゴッキーが混入したトラウマからの発作が再発し欠場のフカマックス。
しかし、NLキャンプが大雪で中止となり調整不足で開幕に間に合わなかった主砲美澤、左のエース此上、お腹がゆるキャラダーオが1軍に合流。

先発マウンドに上がったのは左腕此上。
今季初マウンドからか得点圏にランナーを置いてしまうとセンター前を襲う打球が。センター久保が猛チャージで打球に飛び込み
「キャッチしたか?!」だが惜しくもショーバン判定で1点を先制されてしまう。

1回裏、この日先頭バッターに起用されたのは開幕戦3打数3安打の好調翔平。
試合前に余計な力を消耗しない為にトランクも自動で閉まる生意気欧州車を購入。余計な力を使っていない翔平の放った打球はフェンス直撃のスタンディング2ベース!生意気長打で早くも同点のチャンス!

1死後、開幕戦無安打だった松永。“ザ・マツナガ”と言える技ありの右打ちは今季初安打にして同点となるタイムリー2ベース!
続く主砲美澤の今季初打席は勝ち越しのタイムリー2ベース!
NL打線の勢いはとまらない。美澤に続く“重量”5番樋口も左越え2ベース!、樋口パイセンに続けと“重量”後輩モーリスもレフトへタイムリー!
NL“重量”トリオの3連続タイムリー!久保、中津の同級生コンビが四球で出塁すると打席は最年長トリオの一角ダーオ。
一直線にレフト頭上を超えてのタイムリー2ベース!
更に最年長トリオ主将岸本もセンターを襲うタイムリー2ベースで得点を重ねる。
打者一巡して打席はトップの翔平。
生意気欧州車効果で有り余る力でフルスイングした打球は打った瞬間。打った瞬間だ!それと分かる1号アウディ2ラン!今だ10割キープ!
まだまだ終わらない。松永、美澤の2打席連続のタイムリー2ベースで追加点。打者17人の猛攻でこの回12得点。

先発此上は初回に1失点したものの、本来のキレのある投球を取り戻し2回、3回と無失点。

3回は10割キープ翔平が四球で出塁すると、続く男前安井。この試合の上位打線の中で出遅れ感が…。
そんな言葉を一蹴するグラウンドを真っ二つにカットするような鋭い打球がセンターへ。タイムリー“僕ねこんなん打てるんですよ”2ベース!
美澤、樋口、モーリスの3連続タイムリーも飛び出し6点を追加。

4回裏、1死から岸本が体勢を崩しながらもレフトオーバーの2ベース。「高価なバットは飛距離も違うね野球は経済力!」を結果で証明するとトップに返って10割打者翔平。
「緊張する。もう打席に立ちたくないッス。10割キープしたまま試合終わりたいッス」とぐずり出す。
「1本ホームランすごかったね〜。ショーヘーちゃんは出来る子だから。ほら行っておいで」
とメンバーにたしなめられ打席に向かうアウディくん。
開き直ったフルスイングから放たれた打球はまるで1本目のVTRを見ているかのような軌道。打った瞬間の2号3ラン!
満面の笑みで元気にダイヤモンドを周るショーヘーちゃん。もうすぐ2児のパパだ!

この試合NL打線は21安打26得点。此上ー美澤の継投も初回の1失点のみと投打が噛み合いNL通算250試合目を今季初勝利で飾った。

■平成28年2月14日 駕与丁公園10時
△N.ライオンズ 5-5 ブルドッグス△

NL:202 010 : 5
B t:000 023 : 5

久保ー中津


【経過】2016年、NL始動!
しかも年頭のキャンプを大雪で流し、初の実戦がいきなりのシーズン開幕戦だ。
この突発的なアクシデントにより、出場メンバーにまで異変が生じた。
岩井なき今季、開幕投手確定と思われた此上が欠場。開幕投手は経験と実績、共に兼ね備える安定感抜群の久保に決定した。
さらに、不動の4番・美澤の欠場に伴い、樋口がその重責を担う。
投打の柱が欠けても、全員野球でカバーする。それが今シーズンのNLの戦い方となるに違いない。
ところが、これだけでは終わらなかった。ベテランの小田、主砲・高橋、モーリスの欠場も確定。NLの中核を担う三人の穴も痛すぎる……。
しかし、何とか出場選手登録ギリギリでゲームは開始された。あとは、やるしかない!

初回、NL2016年最初のバッターボックスに立ったのは、松永。常に高打率をマークし、この打順は必然の流れとも言えるだろう。
惜しくも紙一重で内野ゴロに倒れると、続くは翔平。何でもできる強打者の第1打席はまさかのデッドボール。欠場・高橋の怨念か。
立ち上がりの相手投手はこの死球でペースを乱したか。続く安井の内野ゴロがフィルダースチョイスとなり1、2塁。願ってもない場面で
主砲・樋口を迎えた。
動揺する相手投手からボール先行3-0となるが、樋口は「次、いっちゃっていいすか?」。ベンチへ積極果敢に猛アピール。
さすが初の開幕戦4番。気持ちが乗り過ぎている。
結局、攻めての四球を選び満塁。ここで登場するのは昨年の首位打者・吉武だ。燃え尽き症候群で、昨年限り……となっていなければ……。そんなベンチの不安を吹き飛ばすかのように、緩い変化球に体を残してすくい上げた打球はライト左へのヒット。雨上がりの外野芝生で水しぶきを上げながら打球は転々。2者が生還する2点タイムリーツーベースとなり、開幕戦の初回に幸先良く先制だ。

初物相手を完膚なきまでに封じ込める事でついた異名は“NLの番人”…久保が遂に、初の開幕戦先発マウンドに立った。
やる事はいつもと変わらん。とばかりに、冷静かつ大胆に相手打線に攻め込んでいく。
唸る直球に多彩な変化球。盟友・中津との腐れ縁バッテリーで、スコアボードに0を刻んでいく。
二塁にランナーを背負っても冷静だ。まるで背中に目が付いてるかのように、牽制球を投じランナーを二、三塁間に挟む。
こうなるとNLドS集団の独壇場だ。捕手以外の8人が瞬く間に二、三塁間に集まり、怒濤のようにランナーを追い詰める。
特に、ニヒルなドS・松永がエグい。ランナーを追うその顔は平静を装いながらもスマイル・フォー・ミー!微かな笑みを浮かべるが、しかし、何しろ目が笑っていない。
あまりに楽しみ過ぎ、追い込み過ぎた挙げ句、結局、ランナーを二塁ベースまで戻してしまう。笑撃のプレーだが、後続を断ち事なきを得る。

打線は3回、翔平のセンター前ヒットから口火を切る。安井の当たりは紙一重のショートゴロに終わるも、樋口の当たりは、遂に出た~~~~!!得意の右方向への打球となりグングン伸び、右中間を深々と破るタイムリーツーベース。3点目を叩き出し、なおチャンスで吉武。
先制打を放ち調子に乗ったまま迎えた打席は、簡単に追い込まれたものの食らい付き、打球はセンター方向へ。抜けるか!しかしショートが追い付き一塁へ送球。自称「オフの走り込み」が功を奏し、一塁ベースを駆け抜け間一髪セーフ。内野安打となり、さらにチャンス拡大だ。ベース上、何食わぬ顔で仁王立ちの吉武だが、右足首がピリッときている。9人野球だ。これ以上の無理は厳しい。
1死一、三塁。焦った相手バッテリーのミスで1点を追加し4点とリードを広げる。

5回には樋口の痛烈なレフト前ヒット、吉武フォアボール、久保の今季初安打となるレフト前ヒットで満塁。2死に追い込まれたが、岸本。
「5点目が勝敗を分ける」集中力MAXのベテランの脇腹めがけてまさかの死球!身を粉にして押し出しを選び、遂に5点目。
先発・久保の調子から見ても、これはセーフティリード。誰もが開幕戦白星を思い描いた矢先に、事態は急変する。

相手打線も意地の反撃だ。5回に2点を返し3点差とされると、時間的にも最終回となる6回には猛反撃に遭ってしまう。
クサい当たりとミスの連発で1点を返され、なおも1死二、三塁。同点の走者を背負い、防戦一方の流れだ。
何とか断ち切りたい。NL13年の集大成、開幕戦にして奥の手を出すしかない!
1点もやれない前進守備。同点となる二塁ランナーのリードが大きい。今だ!
ライトの守備位置から策士が気配を消しながら、二塁ベースへとスルスルと近づく。ここで捕手とサイン交換中の久保がクルッと振り返り、二塁へ矢のような牽制球。出た!NL奥の手のピックオフプレーだ!!
完全に虚を衝いた。が、しかし、送球が僅かに逸れ、外野にボールが転々……。
まさに、明と暗、紙一重だった。その間に無情にも二者が生還し、土壇場で同点に追い付かれる。
なおも、ラストバッターを迎え、一発が出ればサヨナラ負けの大ピンチ。久保が最後の力を振り絞って投じた一球を弾き返され、打球はレフトへグングンと伸びていく。まさか!必死に背走するレフト樋口の足が止まった。なんとかレフトフライに斬って取り、同点でゲームセット。
引き分けに終わった。
NL戦略作戦コーチは、「最後、一方的な流れを食い止めるには、あのプレーしかなかった。紙一重だったが、雪でキャンプを流した影響にはしたくない」と、前向きなプレーを強調。波乱の中、NL2016年の幕は斬って落とされた。